人間は、視覚で得た対象物の大きさや位置のアバウトな情報に従って手を動かし、掴む過程では、触覚により追加の情報を得て、把持を行っていると思います。
視覚と触覚は互いに弱点を補えるセットとして考えられるべきではないでしょうか。
このデモ動画では、視覚のみでは判定ができないことを触覚が解決できる可能性を示しています。さらに、複雑な触覚信号の処理には、多変数処理を得意とするAIとのマッチングがよいため、デモ機に組み込んでみました。
医療やスポーツなどの業界からご依頼をいただくことが多いタイプの使い方です。このデモ機では100%密になるようにセンサを配置していますが、精度とのトレードオフである程度センサの間隔を離しても同じようなことができます。
柔軟なマットレスを丸ごとインターフェースにすることで、患者さんの全身の姿勢をモニターしたり、姿勢によってベッドを調整したり、手や足の形をとったりなど、いろいろな使い方に応用いただけます。
私たちの触覚センサを組合わせてコントローラーを作ってみました。ツッコミどころは多いと思いますが、温かい目で見てください。6軸触覚センサを立体コントロールができるジョイスティックにし、柔らかいボタンを側面にも柔軟入力インターフェースをつけ、さらに背面はフォースプレートになっています。
デモ機では携帯電話をイメージしていますが、大きなモニターでも、そもそも透明でないものでも同じことができます。通常のタッチパネルは、手袋をしていたり、手が濡れていたりすると使えませんが、フォースプレートでは、影響がありません。
動画の中盤あたりで、指が動いていないのに、画面は指の動きたい方向と力の量を認識できているところが新しいです。
ただ、弱点は、マルチタッチができないところです。(2つの指から与えられる力の重心が判定されます)。
ニュースで、チャイルドシートのベルト部で子供の首がしまってしまうという事故の記事がありました。自分自身としても、運転中に後部座席でチャイルドシートに乗せていた子供が騒いでいたので、振り向くと、チャイルドシートごと倒れていたという経験もあります。ショッカクキューブをベルトに入れて、カーナビの画面でアラートが出ると便利と考えてデモ機を作りました。